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セレクトノート ― 迷ったときの、小さな相談相手。

SECURITY

玄関の鍵は、顔で開くべきか。
EPIC FACEY 25D・25Hの選び方と設置の壁

買い物袋を両手に持ったまま玄関に着いて、鍵を探す。ポケットの奥で鍵が指先に引っかからなくて、結局いったん荷物を床に置く。あの数秒が、地味に嫌でした。

顔認証スマートロックは、その数秒をなくす道具です。ただし、普通のスマートロックより高いし、取り付けの条件も厳しい。勢いで買うと「うちのドアには付きませんでした」で終わります。

この記事では、EPICの「FACEY 25D(開き戸用)」「FACEY 25H(引き戸用)」を、価格・解錠方法・電池・設置条件の順に整理します。賃貸でも付けられるのか、SwitchBotで十分なのかも、一緒に考えます。

結論:開き戸なら25D、引き戸なら25H

まず結論から。

25Dと25Hは、対応するドアが違うだけで、解錠方法や電池の考え方はほぼ共通です。だから最初に決めるのは、機能ではなくドアの形。ここを間違えると、他の比較は全部無駄になります。

価格はどちらも8万円台後半。決して安い買い物ではありません。ただ、毎日3回、10年使うなら1回あたりの金額は小さくなります。問題は金額より、「自分のドアに付くか」です。

FACEYはどんなスマートロックか

FACEYは、EPICが扱う顔認証スマートロックです。最大の特徴は、乾電池で動くこと。電源工事が要らないので、マンションの玄関でも導入しやすい設計になっています。

解錠方法は、顔のほかに、指紋・暗証番号・ICカード・アプリ・無電圧a接点など。複数を併用できるので、家族それぞれが使いやすい方法を選べます。

顔認証は、前に立つだけで検知が始まる自動検知に対応しています。メーカーのヘルプページでは、暗い廊下でも認証できると案内されています。玄関の照明が暗い家でも、顔を近づけて探す必要はなさそうです。

おもしろいのは、室内側でも認証が必要な仕組み。メーカーは特許(第6917601号)として「室内からも認証しないと開かないスマートロック」を案内しています。室外から手を伸ばして室内のツマミを回す、といった侵入の手口への対策です。

まずは公式ストアで、自分のドアに合うモデルを確認してください。

EPIC公式ストアでFACEYを見る AmazonでFACEY 25D(開き戸)を見る

25Dと25Hの比較表

項目FACEY 25DFACEY 25H
対応ドア開き戸(内開き・外開き)引き戸・スライドドア
価格(2026年10月30日時点)87,780円(税込)92,180円(税込)
解錠方法顔認証/指紋/暗証番号/ICカード/アプリ/無電圧a接点顔認証/指紋/暗証番号/ICカード/アプリ/無電圧a接点
電源単3アルカリ乾電池8本(DC6V)単3アルカリ乾電池8本(DC6V)
電池寿命(メーカー公表)最大約11ヶ月(1日10回使用)最大約11ヶ月(1日10回使用)
緊急給電USB-C 5VUSB-C 5V
防水IPX5(正面のみ)IPX5(正面のみ)
対応ドア厚30〜45mm30〜45mm
保証1年1年

※仕様はメーカー公式ストアおよび販売店の公開情報(2026年10月30日時点)によります。取り付け可否はドアの形状・寸法によって個別に判断が必要です。詳細はリンク先でご確認ください。

価格差は「ドアの形」の差

25Hのほうが4,400円高いのは、引き戸用の機構が別物だからです。開き戸はドアの厚みを挟み込む形で取り付けますが、引き戸は戸の端に沿わせる形になります。無理に代用することはできません。

「うちは引き戸だけど、開き戸用で安く済ませたい」は通らない、と考えてください。ここはケチる場所ではありません。

顔認証の実際と、気になる点

顔認証と聞くと、スマホの顔認証を思い浮かべる人が多いと思います。ただ、玄関の顔認証は、スマホより条件が厳しい場所です。

雨の日、逆光、夜、マスク、帽子、サングラス。メーカーは暗い場所でも認証できるとしていますが、すべての条件で完璧に動くとは限りません。だからFACEYには、指紋・暗証番号・ICカード・アプリといった逃げ道が用意されています。

この設計は、私たちは合理的だと思いました。顔認証だけに頼るのではなく、「基本は顔、うまくいかないときは指紋か暗証番号」と考える。スマートロックは、便利さと確実さのバランスで選ぶ道具です。

もうひとつ気になるのは、顔の登録。家族の人数分だけ登録する必要があります。子供の顔は成長で変わるので、定期的な登録し直しが要るかもしれません。来客用に一時的な暗証番号を発行できると、宅配や親戚の訪問が楽になります。

販売店の仕様表では、他人受入率は0.0001%とされています。数字だけ見ると十分低いですが、これはあくまで試験条件での値。実際の玄関は、帽子やマフラー、荷物の陰など、条件がどんどん変わります。数字を過信せず、複数の解錠方法を設定しておくのが現実的です。

いちばんの壁は「設置できるドアか」

FACEYを買う前に、必ず確認してほしいのが次の4点です。

  1. ドアの厚さ:30〜45mmの範囲か
  2. バックセット:41〜46mmの範囲か(鍵穴の中心からドアの端までの距離)
  3. ドアの形状:開き戸か引き戸か。内開き・外開きの別も確認
  4. 取り付けの可否:賃貸なら管理会社・大家の許可が得られるか

このうち、いちばん見落とされるのがバックセットです。ドアの端から鍵穴の中心までの距離で、これが合わないと物理的に取り付けできません。メジャーがあれば測れますが、判断に迷ったらメーカーの設置判断フォームや写真診断を利用したほうが確実です。

賃貸の場合は、さらに「原状回復できるか」が加わります。FACEYには原状回復タイプの考え方があり、退去時に元の状態へ戻せる設計です。ただし、ドアに穴を開ける工事が必要な場合、原状回復といっても跡が残ることはあります。

管理会社に確認するときは、口頭ではなく、「スマートロックへの交換が可能か」「退去時に原状回復が必要か」を文章で聞いてください。ここを曖昧にしたまま買うと、あとで揉めます。

マンションの玄関ドアは、防火戸や遮煙戸になっていることがあります。防火戸は穴あけや交換に制限があるので、型番を控えて管理会社かメーカーに確認するのが安全です。

設置できるか不安なら、購入前にドアの写真診断を。型番が分かると話が早いです。

EPIC公式ストアで設置相談を見る AmazonでFACEY 25H(引き戸)を見る

SwitchBotロックUltraとの違い

「スマートロック」で最初に名前が上がるのがSwitchBotです。ロックUltraの顔認証Proセットは39,980円で、既存のサムターンに後付けするタイプ。穴あけを伴わない構成が基本なので、賃貸でも挑戦しやすい価格と形です。

対してFACEYは、鍵本体を交換するタイプ。8万円台後半と高いぶん、ドアの外側までスマートロックになり、顔認証の体験も自然です。引き戸に対応するモデルがあるのも、FACEYの強みです。

項目EPIC FACEY 25DSwitchBot ロックUltra 顔認証Proセット
価格(2026年10月30日時点)87,780円39,980円
取り付け鍵本体を交換既存のサムターンに後付け
対応ドア開き戸(25Hは引き戸)開き戸が中心
主な解錠顔・指紋・暗証番号・ICカード・アプリ顔・指紋・暗証番号など
向いている人玄関の外側までまとめて変えたい工事を抑えてまず試したい

※SwitchBotの仕様・価格は当サイトの別記事で2026年10月に確認した内容です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

私たちなら、賃貸でまず試すならSwitchBot、持ち家で玄関を作り替えるつもりならFACEY、という分け方をします。どちらが上という話ではなく、ドアを触れるかどうかで選ぶのが正直なところです。

向かない人

FACEYが向いている人

  • 両手がふさがっていても鍵を開けたい
  • 玄関の外側までスマートロックにしたい
  • 引き戸の玄関で、対応するスマートロックを探している
  • 電池式で、電源工事を避けたい
  • 家族それぞれに合った解錠方法を用意したい

向かないかもしれない人

  • ドアの厚さ・バックセットが対応範囲外
  • 管理会社が鍵の交換を許可しない
  • 予算を4万円以下に抑えたい(SwitchBotが候補)
  • 顔認証に抵抗がある(指紋・暗証番号だけでも使えます)
  • とにかく安く済ませたい(後付けタイプのほうが安い)

よくある質問

編集部のひとこと

スマートロックの記事を書くたびに思うのは、「便利さ」より「帰れる確実さ」のほうが大事だということです。顔認証がどれだけ速くても、電池切れで入れなければ意味がありません。

だから、顔・指紋・暗証番号・カードのどれか1つに絞らず、2つ以上を設定しておく。地味ですが、これがいちばんの保険です。新しい便利を買うときは、不便になったときの逃げ道も一緒に買う。それが、道具との長い付き合い方なのだと思います。